共通テスト英語リーディングの時間配分と「時間が足りない」の対策
共通テストの英語リーディングは、80分で大量の英文を読む試験です。「最後の大問までたどり着けない」という悩みはとても多いと思います。この記事では、公式情報で試験の枠組みを確かめたうえで、自分に合った時間配分の決め方と、時間が足りない原因の切り分け方を説明します。
結論:時間配分は「自分の実測」から作り、足りない原因を3つに分けて対策する。
- 令和9年度(2027年1月実施)のリーディングは80分・100点。大問ごとの目安時間は公式には示されていないので、過去問を解いて大問ごとにかかった時間を測り、そこから配分を決めます。
- 足りない原因は「語彙・文法」「読み方(返り読み)」「設問の処理」に分けて考えます。
- 音読とスラッシュリーディングが助けになるのは主に「読み方」の部分です。語彙不足や設問の処理は、別の練習が必要です。
試験の枠組み(公式情報)
まず、大学入試センターが公表している情報で、令和9年度(2027年1月実施)の試験の枠組みを確認します。数字は年度によって変わる可能性があるので、受験する年度の情報を必ず公式サイトで確かめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本試験の日程 | 2027年1月16日(土)・17日(日) |
| リーディング | 試験時間80分、100点 |
| リスニング | 試験時間60分(うち解答時間30分)、100点 |
| 出題範囲 | 「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「論理・表現Ⅰ」 |
大問の構成は年度によって変わることがあります。参考までに、大学入試センターが公開している令和8年度(2026年1月)の本試験の問題冊子を見ると、リーディングは第1問から第8問までの8つの大問で、解答番号は1から44まででした。メッセージのやりとり、案内やポスター、グラフのある記事、物語、論説文など、形式の違う英文が順に並んでいます。
過去3年分の問題と正解は、大学入試センターの過去問題のページで公開されています(著作権処理の関係で一部を省略して掲載している科目がある、という注意書きがあります)。
時間配分の決め方
公式の目安はない。だから自分で測る
大問ごとの時間配分は、公式には示されていません。インターネットや参考書でさまざまな配分例が紹介されていますが、読む速さや得意な形式は人によって違います。いちばん確実なのは、過去問を本番と同じ80分で解き、大問ごとにかかった時間を記録することです。
- 過去問を1回分、80分で解きます。大問が終わるたびに、時計の時刻を問題用紙の余白に書いておきます。
- 採点したら、大問ごとに「かかった時間」と「得点率」を表にします。
- 時間をかけたのに得点率が低い大問、短い時間で得点できた大問を見つけます。
- 合計が70分前後になるように、大問ごとの目標時間を決めます。残りの約10分は、マークの確認と、迷った問題の見直しに使います。
配分を考えるときの3つの考え方
- 英文の量に比例させる:後半の大問ほど英文が長くなる傾向があるので、前半を短く、後半に時間を残します。前半の短い大問で時間を使いすぎると、配点のある後半を読み切れません。
- 得意な形式で時間を稼ぐ:グラフや表の読み取りが速い人、物語が得意な人など、自分が速く解ける形式で目標より早く終われば、その分を苦手な大問に回せます。
- 1問に固執しない:1つの設問で2分以上迷ったら、仮の答えをマークして先へ進みます。問題用紙に印をつけておけば、最後に戻れます。
決めた配分は、次の過去問や模試で試して、ずれていれば直します。2〜3回分を解けば、自分に合った配分がだいたい固まります。
時間が足りない原因を切り分ける
「時間が足りない」の中身は、人によって違います。過去問を解いたあと、次の3つのどれが大きいかを考えると、対策を選びやすくなります。
1. 語彙・文法:知らない語や構文で止まる
読んでいる途中で知らない単語が出るたびに止まり、前後から意味を推測しようとして時間を使っている場合です。解き終わった英文に、意味がわからなかった語に印をつけてみてください。1段落に何個も印がつくなら、まず語彙の学習が必要です。
2. 読み方:返り読みが多い
単語も文法もわかるのに遅い場合は、読み方に原因があることが多いです。文の最後まで読んでから日本語の語順に並べ替えたり、同じ文を何度も読み直したりしていないでしょうか。たとえば次の文を、後ろから訳し上げずに前から理解できるかを試してみてください。
The survey showed / that students who sleep more than seven hours / tend to feel less stressed / before exams.その調査は示した/7時間より多く眠る生徒は/ストレスを感じにくい傾向があることを/試験の前に
3. 設問の処理:読んだあとに時間がかかる
英文は読めているのに、選択肢を何度も本文と見比べたり、どこに答えがあったかを探し直したりして時間がかかる場合です。設問を先に見て何を探すかを決めてから読む、本文の段落ごとに要点を一言メモする、などの工夫が効きます。どの方法が合うかは人によるので、過去問で試してください。
音読・スラッシュでできること、できないこと
音読とスラッシュリーディングが助けになりやすいのは、2つ目の「読み方」の部分です。英文を意味のまとまりで区切り、前から順に理解する練習を繰り返すと、返り読みを減らす助けになります。区切り方は「スラッシュリーディングとは?区切る場所のルールと例文」で説明しています。
ただし、限界もあります。
- 語彙不足は補えない:知らない単語は、何度音読しても知らないままです。音読する英文で出会った語を覚えることはできますが、語彙の学習の代わりにはなりません。
- 設問の処理は別の練習:選択肢の吟味や情報の探し方は、過去問や問題集を解いて身につけるものです。
- 効果は練習した英文で大きい:反復読みの研究では、効果は練習した文章で大きく、初めて読む文章への広がりは小さめだと報告されています(Therrien, 2004)。共通テストで出るのは初めて読む英文なので、音読と並行して、時間を計って初見の英文を解く練習も必要です。
読む速さそのものの悩みについては「英語長文を読むのが遅い原因と、速く読むための練習(返り読みを減らす)」で、より詳しく書いています。
本番までの練習の組み立て
共通テストまでの期間に合わせた、組み立ての一例です。
| 時期 | 内容の例 |
|---|---|
| 10〜11月 | 過去問を週1回分、80分で解いて大問ごとの時間を記録。解いた長文から段落を選んで音読に回す |
| 12月 | 決めた時間配分で過去問・予想問題を解く。苦手な大問の形式だけを集中的に練習 |
| 1月(直前) | 本番と同じ時間帯に80分で通して解く練習。新しいことは増やさず、配分の確認と音読での読み直し |
解いた過去問は、解きっぱなしにせずに復習と音読に回すと、1回分の問題を何倍にも使えます。手順は「英語長文の復習方法:過去問を解きっぱなしにしない手順」にまとめました。共通テストの過去問PDFから英文を取り出して区切るには、スラ読オン読のアプリが使えます(PDFは端末の中だけで処理します)。
本番当日の注意
- 試験時間の80分の中に、問題冊子を見渡す時間とマークの確認の時間も含まれます。最初に全体のページ数と大問の形式をざっと見ておくと、配分を思い出しやすくなります。
- 決めた配分より遅れていても、慌てて読み飛ばすより、1問ずつ確実に処理するほうが結果的に得点につながることが多いと思います。遅れたら、苦手な大問の一部の設問を後回しにするなど、事前に決めておいた対応をとります。
- マークのずれは、大問ごとに確認すると防ぎやすくなります。
- 受験上の注意や持ち物は、受験票と大学入試センターの案内で確認してください。
まとめ
- 令和9年度のリーディングは80分・100点(大学入試センターの公表)。大問ごとの目安時間は公式には示されていない。
- 過去問を80分で解いて大問ごとの時間と得点率を記録し、合計70分前後+見直し約10分で配分を作る。
- 時間不足の原因を「語彙・文法」「読み方」「設問の処理」に分けて、それぞれに合った対策をとる。
- 音読・スラッシュは主に「読み方」に効く。語彙と設問の処理は別の練習で補い、初見の英文を時間を計って解く練習も続ける。
参考文献・資料
- 大学入試センター. 令和9年度大学入学共通テスト(試験情報・実施要項・出題教科・科目の出題方法等). 掲載ページ
- 大学入試センター. 過去の試験問題(令和8年度 本試験の問題). 掲載ページ
- Therrien, W. J. (2004). Fluency and comprehension gains as a result of repeated reading: A meta-analysis. Remedial and Special Education, 25(4), 252–261. 要旨(ASHA Evidence Maps)
試験の情報は2026年10月22日に大学入試センターの公式サイトで確認したものです。変更される場合があるので、受験する年度の情報を必ず公式サイトで確かめてください。