英語長文の復習方法:過去問を解きっぱなしにしない手順
英語の長文問題を解いて、丸つけをして、解説を読んで終わり。それだけだと、1題に使った時間のわりに力が残りにくいと感じませんか。この記事では、解いた長文を「読めなかった理由を見つける教材」と「音読の教材」として使い切る復習の手順を説明します。
結論:復習は「採点→根拠→読めなかった文→音読→数日後」の5段階。全部を完璧にしない。
- 採点して、間違えた設問に印をつける
- 正解の根拠になる本文の箇所を探す
- 読めなかった文を、語彙・構文・内容のどれが原因かで分ける
- 段落を1〜2つ選んで音読教材にする
- 2〜4日後に区切りなしで読み直す
復習の時間は、解いた時間と同じくらいからその1.5倍くらいまでを目安にしています(経験的な目安です)。
なぜ解きっぱなしだと伸びにくいのか
問題を解くことは、「今の自分がどこまで読めるか」を確かめる作業です。点数がわかっても、なぜ読めなかったのかがわからなければ、次の長文でも同じ所でつまずきます。また、1回読んだだけの英文は、意味を取ることに精一杯で、前から速く読む練習にはなっていません。
復習では、この2つ、つまり「読めなかった原因を見つけること」と「同じ英文を何度か読んで、読み方を練習すること」をやります。新しい問題を解く量を少し減らしても、1題を使い切るほうが、力として残りやすいと考えています。
手順1:採点して、間違いに印をつける
採点したら、間違えた設問だけでなく、正解したけれど自信がなかった設問にも印をつけます。勘で当たった問題は、実質的には読めていない問題です。解いている最中に、自信のない設問の番号に小さく「?」を書いておく習慣をつけると、この手順が楽になります。
あわせて、かかった時間も記録しておきます。時間内に読み切れなかった場合は、どこで時間を使ったかを思い出してメモします。
手順2:正解の根拠を本文で探す
解説を読む前に、もう一度本文を見て、正解の根拠になる箇所を自分で探します。見つけたら線を引き、設問の番号を書き込みます。そのあと解説と照らし合わせて、根拠の場所が合っているかを確かめてください。
根拠が見つからなかった設問は、次のどちらかが原因です。
- 根拠の文は見つかったが、意味を取り違えていた → 手順3で、その文を分析します。
- 本文は読めていたが、選択肢の言い換えに気づかなかった → 本文の表現と選択肢の表現を並べて書き、どう言い換えられていたかを確認します。
手順3:読めなかった文を分析する
設問に関係なく、読んでいて意味がつかめなかった文や、何度も読み直した文を抜き出します。全部の文を分析する必要はありません。1題につき3〜5文くらいに絞ります。それぞれの文について、原因を次の3つに分けます。
| 原因 | 例 | やること |
|---|---|---|
| 語彙 | 知らない単語・熟語があった | 単語帳か復習ノートに追加し、意味と発音を確認する |
| 構文 | 主語や動詞がどこかわからなかった、関係詞や分詞の範囲がつかめなかった | 文の構造を書き込み、スラッシュで区切って意味を取る |
| 内容 | 単語も構造もわかるのに、何を言いたいのかがわからなかった | 前後の文とのつながり(対比・具体例・言い換え)を確認する |
構文が原因の文は、スラッシュで区切ると見えやすくなります。たとえば次の文は、主語が長いのでどこが動詞かを見失いやすい形です(自作の例文です)。
The idea / that people learn best / when they are allowed to make mistakes / is not new.その考えは/人がいちばんよく学ぶという/間違えることが許されているときに/新しいものではない
主語は The idea から mistakes まで、動詞は is です。このように区切ってから、もう一度区切りなしで読み、前から意味が取れるかを確かめます。区切り方の目安は「スラッシュリーディングとは?区切る場所のルールと例文」にまとめています。
手順4:段落を選んで音読教材にする
手順3で分析した文を含む段落を、1〜2つ選んで音読します。長文全体を音読すると時間がかかりすぎるので、100〜200語くらいの段落単位がおすすめです。
- 選んだ段落の意味が全部わかる状態にする(手順3まででほぼ済んでいます)。
- お手本の音声を聞きながら目で追う。
- 区切りありで2回音読する。
- 区切りなしで1〜2回音読し、要旨を日本語で1〜2文にまとめる。
英文を音読用の形にするには、問題集のページをコピーして手でスラッシュを引くか、PDFや貼り付けた英文をスラ読オン読のアプリに入れて自動で区切る方法があります。過去問のPDFから英文を取り出す手順は「過去問PDFを音読教材にする方法(スキャン・OCR対応)」で説明しています。音読の細かい手順は「英語長文の音読のやり方:1日の手順と復習」にあります。
手順5:数日後に読み直す
2〜4日ほどあけてから、音読した段落を区切りなしで読み直します。手順3で分析した文がすっと読めれば、その英文の復習は終わりです。まだ止まる文があれば、そこだけ区切りありに戻して確認します。
余裕があれば、長文全体を時間を計って黙読し直すのもおすすめです。最初に解いたときより速く、内容が頭に入るようになっていれば、復習の効果が出ています。ただし、同じ英文が読めるようになったことと、初めての英文が読めるようになったことは別です。反復読みの研究でも、効果は練習した文章で大きく、初めて読む文章への広がりは小さめだと報告されています(Therrien, 2004)。新しい長文を解く練習も並行して続けてください。
復習ノートの作り方
復習ノートは、きれいに作ることが目的ではありません。あとで見返したときに、同じ間違いを防げることだけを考えて、短く書きます。1題につき1ページまでが目安です。
- 日付・問題名・かかった時間・得点(1行)
- 読めなかった文:3〜5文。原因(語彙・構文・内容)と、どう読めばよかったかを一言
- 言い換え:本文の表現と、選択肢の表現の組み合わせ
- 覚える語:意味と、必要なら発音の注意
英文を書き写すのは時間がかかるので、印刷したものを貼るか、該当箇所のページ番号だけを書くのでも構いません。アプリの「印刷・PDF」では、区切りあり・なしの英文に、行間を広くとったり罫線やメモ欄を付けたりしたプリントを作れるので、それを復習ノートの代わりにする使い方もできます。
時間をかけすぎないための基準
復習を丁寧にやろうとすると、1題に2時間も3時間もかかってしまうことがあります。続けられなくなっては意味がないので、次のような基準で区切っています。
- 復習の時間は、解いた時間と同じくらいから1.5倍くらいまで。それを超えそうなら、手順3の文の数を減らす。
- 読めなかった文は1題につき3〜5文まで。全部を分析しない。
- 音読するのは1〜2段落まで。長文全体は音読しない。
- 復習ノートは1題1ページまで。
これらは研究で決まった数字ではなく、続けやすさを優先した目安です。時間のない日は、手順1〜3だけをやって、音読は翌日に回しても構いません。
まとめ
- 復習は「採点→根拠→読めなかった文の分析→音読教材にする→数日後に読み直す」の順。
- 勘で当たった設問にも印をつけ、根拠を自分で探してから解説を読む。
- 読めなかった文は語彙・構文・内容に分けて、1題3〜5文に絞る。
- 段落を1〜2つ選んで音読し、2〜4日後に区切りなしで読み直す。
- 復習の時間は解いた時間の1〜1.5倍くらいまで。新しい長文を解く練習も続ける。
解き終わった過去問のPDFがあれば、アプリに読み込んで、手順4の音読教材をすぐに作れます。同じ英文を何回読めばいいかは「英語長文の音読は何回やればいい?回数より大事な「やめどき」」を参考にしてください。
参考文献
- Therrien, W. J. (2004). Fluency and comprehension gains as a result of repeated reading: A meta-analysis. Remedial and Special Education, 25(4), 252–261. 要旨(ASHA Evidence Maps)