大学の過去問はどこで手に入る?英語長文を音読教材にするまで
志望校の英語の過去問を解きたい、解いた長文を音読にも使いたい。そう思っても、どこで手に入るのか、ネットで公開されているものはどこまで使っていいのか、迷うことがあると思います。この記事では、過去問を手に入れる4つの方法と、著作権の注意、手に入れた英文を音読教材にするまでの流れをまとめます。
結論:共通テストは大学入試センター、個別試験はまず大学の公式サイト、足りなければ過去問題集。使うのは自分の学習の範囲で。
- 共通テストの過去3年分の問題と正解は、大学入試センターの公式サイトで公開されています。
- 各大学の個別試験は、大学ごとに公開の有無や範囲が違います。英語は著作権の関係で本文が載っていないこともあります。
- 入試問題の英文には、元の文章の著者などの権利があります。コピーやPDF化は自分の学習のためにとどめ、ほかの人に配ったりネットに上げたりしないでください。
共通テスト:大学入試センターの公式サイト
大学入学共通テストの問題と正解は、大学入試センターの過去の試験問題のページで公開されています。2026年10月22日に確認した時点では、令和6年度から令和8年度までの3年分の本試験と追・再試験の問題・正解が掲載されていました。英語はリーディングの問題冊子のPDFと、リスニングの問題冊子・音声・スクリプトが公開されています。
ページには「著作権処理等の関係上、一部省略して掲載している科目があります」という注意書きがあります。年度や科目によっては、紙の問題冊子と同じ内容がすべて載っているとは限らない、ということです。
リスニングの音声が公式に公開されているのは、音読やシャドーイングのお手本としても役に立ちます。リーディングの試験時間や配点などの枠組みは「共通テスト英語リーディングの時間配分と「時間が足りない」の対策」でまとめています。
各大学の個別試験:大学の公式サイト
各大学の個別試験(二次試験や一般選抜)の問題を公開しているかどうかは、大学によって違います。公式サイトの「入試情報」「過去の入試問題」などのページを確認してください。よく見られる公開のしかたには、次のようなものがあります。
- 過去数年分の問題をPDFで公開している
- 問題は公開しているが、第三者の著作物(英語の長文の元になった本や記事など)の部分は伏せている、または載せていない
- 英語や国語だけは、著作権の処理の都合でウェブでは公開せず、別の方法(窓口での閲覧など)で見られるようにしている
- 出題の意図や解答例だけを公開している
英語の長文は、元になった文章に著者がいることがほとんどなので、ウェブでは本文が読めないことが珍しくありません。公開されているPDFを使う場合も、大学のページに書かれている利用条件(個人の学習以外の利用には許諾が必要、など)を確認してください。
大学の公式サイト以外で、過去問のPDFが無断で公開されているように見えるサイトもありますが、権利者の許可を得ていない可能性があるので使わないほうが安全です。
過去問題集を買う
大学別・学部別の過去問題集は、書店やネット書店で買えます。過去問題集は、出版社が英文の著作権の処理をしたうえで本文を掲載していることが多く、解答・解説や全文訳がついているのが大きな利点です。音読の前の「意味の確認」には全文訳がとても役に立つので、個別試験の長文を音読に使いたいなら、過去問題集がいちばん使いやすいと思います。
出版社によって、収録年数、解説の詳しさ、全文訳の有無が違います。買う前に、店頭や出版社のサイトで、志望学部の英語の解説がどのくらい詳しいかを確かめると選びやすくなります。
学校・塾・図書館で見る
- 学校の進路指導室:過去問題集がそろっていることが多く、貸し出しやその場での閲覧ができる場合があります。古い年度のものが残っていることもあります。
- 塾・予備校:在籍していれば、独自にまとめた過去問や解説を使えることがあります。
- 公立図書館:過去問題集を置いている図書館もあります。書き込みはできないので、必要なページを自分の学習のためにコピーして使います。
先輩から過去問題集を譲ってもらうのも一つの方法です。年度が少し古くても、出題の形式が大きく変わっていなければ、長文の練習と音読の材料としては十分使えます。
著作権について知っておきたいこと
このサイトは法律の専門家が運営しているわけではないので、一般的な説明にとどめます。気になる場合は、文化庁の解説や、大学・出版社が示している利用条件を確認してください。
文化庁の著作権制度の解説資料では、私的使用のための複製(著作権法第30条)について、次のような条件が説明されています。
- 個人的に、または家庭内など限られた範囲で使うことが目的であること
- 使う本人が複製すること(業者に頼む場合は対象外)
- コピーガードを外して複製するなど、除外される使い方に当たらないこと
受験生の勉強にあてはめると、自分で買った問題集や、自分で入手したPDFを、自分の勉強のためにコピーしたり、音読用に区切りを入れたりするのは、この範囲で考えられることが多いと思います。一方で、次のような使い方は、この範囲を超えるおそれがあります。
- 区切りを入れた英文や、作ったプリントを、友だちやクラスに配る
- SNSやブログに、入試問題の英文をそのまま載せる
- 英文を含むPDFをネット上で共有する
友だちに勧めたいときは、英文そのものではなく、問題集の名前や、大学入試センターのページ、このサイトの記事のリンクを教えてください。このサイトの記事の例文はすべて自作で、入試問題の本文は載せていません。
手に入れた英文を音読教材にするまで
- まず解く:音読に使う前に、本番と同じ条件で時間を計って解きます。初見で読めるのは1回だけなので、この機会を大事にします。
- 復習する:採点し、正解の根拠を本文で探し、読めなかった文を分析します(「英語長文の復習方法:過去問を解きっぱなしにしない手順」)。
- 段落を選ぶ:読めなかった文を含む段落を1〜2つ選びます。長文全体を音読するより、100〜200語くらいの段落単位のほうが続けやすいです。
- 英文を取り出す:PDFならスラ読オン読のアプリに読み込むと、文字データのあるPDFはそのまま、スキャン画像のページは端末の中でOCRして英文を取り出せます。紙の問題集なら、スマートフォンでスキャンしてPDFにするか、該当の段落を入力します。
- 区切って音読する:アプリで区切りを自動で入れ、意味とずれている所を直してから、区切りあり→なしの順で音読します。
次の文は、そうして区切った英文のイメージです(自作の例文です)。
The museum decided / to open its doors for free / on the first Sunday of each month.その博物館は決めた/無料で開館することを/毎月第1日曜日に
PDFの読み込みやOCRの詳しい手順、設問や語注の除き方は「過去問PDFを音読教材にする方法(スキャン・OCR対応)」で説明しています。アプリでは、PDFや英文を端末の外に送ることはありません。
何年分をどう使うか
何年分を解くべきかは、志望校の数や残りの期間によるので一概にはいえません。考え方の一例を挙げます。
- 最新の年度は後に取っておく:直前期に、本番の形式に最も近い問題で時間配分を確かめるために使います。
- 古い年度から解き始める:形式に慣れ、時間配分の目安を作る段階では、少し前の年度を使います。
- 解いた長文は音読で使い回す:新しい年度を次々に解くより、解いた長文の段落を音読で何度か読み直すほうが、1年分から得られるものが多くなります。
過去問は数に限りがあるので、解くだけで終わらせず、復習と音読で使い切るのがおすすめです。
まとめ
- 共通テストは大学入試センターの公式サイトで、過去3年分の問題と正解が公開されている(一部省略して掲載している科目あり)。
- 各大学の個別試験は、公式サイトで公開の有無と範囲を確認する。英語の長文は著作権の関係で載っていないことがある。
- 全文訳つきの過去問題集は、音読の前の意味の確認に使いやすい。学校の進路指導室や図書館も活用する。
- コピーやPDF化、区切りの書き込みは自分の学習の範囲で。英文を配ったりネットに上げたりしない。
- 解く→復習→段落を選ぶ→英文を取り出す→区切って音読、の順で教材にする。
参考資料
- 大学入試センター. 過去の試験問題. 掲載ページ
- 大学入試センター. 令和8年度 本試験の問題. 掲載ページ
- 文化庁著作権課. 令和6年度 著作権事務担当者講習会「著作権制度の概要について」. PDF
- 文化庁. 著作権. 掲載ページ
公開状況は2026年10月22日に確認したものです。公開の範囲や期間は変わることがあるので、最新の情報は各公式サイトで確かめてください。